おっさんその後(1)

前回の日記から3ヶ月が経ったわけだが、何から書いたものか。。。


まず、おっさんは元気に生きています。滞納していた家賃や光熱費等も何とか完済しました。さすがにその頃は顔もげっそりとしていたのだが、こないだ会ったときには「せっかくジーパン買うたのに、きつうなってきたわ」と言っとった。家計も少しは安定してきたのだろうか。


久々前回の日記を読むと、「100万円ゲットだぜ」とか書いてあったが、そんなわけもなく、おっさんは新しいサイトのポイントが勝手に減っていくだの、苦情をメールしても取り合わんだの言っとったのを覚えている。そういえば、こんなこと言っとった。


「100万円?ないなぁ。ていうか、もうサイトがほんま腹立ってな、うん、前のヤツの方がまだましやった。このサイトもサービスタイムがあってな、送り放題の。そん時もうポイント1回送る分しかなかってん。せやからサービスタイム待ってな、その1回に賭けたろ思うて、朝6時来たらウワ〜て送りまくったんや。ええのが2人おってな。うん、今度は500万を2回に分けて…(中略)。で返事来たから返事返そう思うたら、ポイントないねん!! サイトが勝手に減らしとんねん。ほんま最後の一回分やのに、いらんことしやがってほんま〜!! せやからワシ、警察電話してな。『今やったら証拠のメールがあるから、ワシデータを引っ張り出す方法わからんから、取りにきてくれ』って。来たかって? 来うへん。相手にもせん、けんもほろろや」


せつない話だが、それ以降、おっさんの出会い系熱も少し落ち着いたようである。普段何しとるのかと聞くと、足のリハビリがてら散歩をしたり、その途中で近くの公園にたむろしとるおっさん連中に混じって将棋を指したり(「真剣」ではない、念のため)、近所の自転車屋の兄ちゃんと仲良しになってジャズのCDを貸しあったりしとるようだ。


おっさんも少しはええ方向に向いとるようである。家に来たエホバの証人の誘いについて行ったのもご愛敬である。5月頃だったやろか。


「今、日曜日に聖書読みに行ってんねん」


将棋の話やらを聞いて胸をなで下ろす間もなく、こんな事言い出すものだから、その時俺の顔は相当ひきつっていたに違いない。いや、別にええねんけど、、それでもねぇ。。。


「この前うちに来てな、そういうのがあるいうから。まあヒマやしええかな思うて」


「エホバやろ」と聞くと「うん。ワシも行くまでわからんかってんけどな。会場行ったら『あ、エホバや』て」。ウソのような、三文小説以下の展開である。


「久々人に会うからな、ちゃんとした服装で行こう思うて、アルマーニのスーツ引っ張り出したら、窓際に吊しておいたんがあかんかった。肩口から袖まで黄色うなっててな。クリーニング行って聞いたんやけど、『全部染め直すならええけど』言われたからな。もう台無しや。エホバ? うんワシ、もててるで。なんや知らん、色んな人が話しかけてくる。話題なんか、ワシのこと色々知っとるんよな〜。『足の具合悪いんですって?』とか話しかけてくる」


まあ、それでも実在するかどうかも定かでない相手のために有り金はたくよりは随分とマシである。最近は行ってないらしいが、時々信者が会いに来るのだという。おっさんにとっては、案外それがええ方向に向かせているのかもしらん。



この間のエピソードがもう少しだけあるのだが、それはまた次にということで。そこでとりあえず言えることは、おっさんの信じられん行動力とその方向性やら方法の珍妙さなのであった。


今度はあまり間をあけずに更新します。